音楽制作・プロデュース を行ってきたナイントーン社 代表取締役 小林弘和氏は、今、ウォーター・エンタテインメント(噴水ショー) に力を注ぐ。それ は多くの人々を魅了するイベントの目玉 としてはもちろん、地域活性化 や企業のブラン ディング 、新商品のプロモーション活動 にもつなげることができる。世界の噴水動向や 噴水をどう活用できるか、小林氏に話を聞いた。
インデックス
ミュージシャンから音楽プロデューサーの道へ
「噴水ショーイベントを創る感覚は、曲を創る感覚と同じ」
海外に比べ遅れを取る噴水イベントを楽しむ文化
企業のCSR活動として噴水を活用
噴水の活用用途
ミュージシャンから音楽プロデューサーの道へ
ナイントーン社 代表取締役 小林弘和氏
自身の性格を「飽きっぽい」とする小林氏は、中学、高校とバンド 活動を続けてきたが、「音楽をプロデュースする側にまわりたい」と決断、バンド活動 をやめ、高校卒業と同時に上京した。音楽学校に入学するも、授業にはほとんど出席せ ず、ほぼ独学で音楽プロデュースの道を切り開いていった。
「さまざまなミュージシャンのプロデュースをする過程で、人脈も 着実に広がっていきましたね」(小林氏)とし、その頃、クリエイティブマン の清水氏 とも出会った。2人はすぐに意気投合し、小さな会社から2000年8月、日本で最大 級の音楽イベント「サマーソニック 」開催に至るまで、サポートしていた。
国内外のミュージシャンが出演するサマーソニックは、当時として は画期的なもので、「傍でその過程を経験したことが非常に大きかった」と語る。その後、小林氏は、音楽を中心に大規模なイベント から小規模まで 、さまざまな規模のイベントを手掛けていった。
「噴水ショーイベントを創る感覚は、曲を創る感覚と同じ」
転機が訪れたのは2008年。イオンが埼玉県越谷市にショッピン グモール「イオンレイクタウン 」をオープンするにあたり、イベントの企画立案を依頼され た時だった。イオンとは、以前よりショッピングモールでインストアライブイベントを 開催しており、そこでコネクションができていた。
この企画で、最初から噴水を活用したわけではなかった。「最初は 、花火と生演奏音楽とのコラボを実施しました」と小林氏は話す。しかし後に花火が禁止になっ た。そこで、次の企画として、越谷の池を活かした噴水 と音楽 をシンクロさせるウォー ター・エンタテインメント(噴水ショー) を手掛けたのだった。その大成功を受け、小 林氏は噴水に魅了されていった。
「噴水ショーを創る感覚は、曲を創る感覚に似ています」と小林氏 は話す。「音楽は何度も聴いてもらえるような曲を創る。噴水ショーも何度も観たいと 思ってもらうことが重要」とし、「イベントでは、必ずしも派手な噴水ショーにする必 要はない」ときっぱり言い切った。「噴水は空間 を楽しむもの。そこで何を感じてもら えるか、観る人の感性に訴えるストーリーをいかに表現できるか。ここを常に意識して いる」とした。
同氏が手掛ける噴水ショーは、噴水 とウォータースクリーン、レー ザーや音楽、映像 をシンクロさせる。従来の噴水ショーとは一線を画す五感を刺激する エンタテインメントだ。「音楽家が創る噴水ショーなので、従来型の噴水ショーのアプ ローチとは全く異なる」と小林氏は語る。最新テクノロジーを駆使し、噴水の形、高さ 、流れ、音響、光の色、角度、映像等、多くの要素を組み合わせて一つの作品を完成さ せるとした。(ナイントーン社が手掛けたLake Town Fantasia 2018動画は以下より視聴できます。)
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海外に比べ遅れを取る噴水イベントを楽しむ文化