働き方改革, 優秀人材の採用育成

2018年5月8日

スポーツMBA構想を掲げるオンワードで活躍した元アメフト選手の吉田直樹氏、その戦略を聞く

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スポーツチームの経営人材を育成するカリキュラム、スポーツMBA構想の実現に向けて日々活動する株式会社WiGrow 代表取締役の吉田直樹氏。自身はオンワードスカイラークスでアメフト日本一を経験し、その後、MBAを取得した。現在は都内の大学院ビジネススクールで広報やマーケティング、専門学校で講師、キャリア支援等、いくつもの顔を持つ。その吉田氏に現在の働き方やスポーツMBA構想について話を聞いた。

アジェンダ

  • 日米スポーツ選手のキャリアへの捉え方の違い
  • スポーツ経営人材(スポーツMBA)の育成
  • さまざまな拠点のコワーキングスペース活用で生産性向上

 

日米スポーツ選手のキャリアへの捉え方の違い

株式会社WiGrow 代表取締役 吉田直樹氏
株式会社WiGrow 代表取締役 吉田直樹氏

 

「何かで日本一になりたい」と考えた高校時代の吉田氏は、これまで続けてきたバスケットボールをスパッとやめて、強豪の東海大学アメフト部に入部した。「バスケで日本一になれるとは想像つかなかった」「大学のアメフトは高校まで色んなスポーツをやっていた人が多く、チャンスはあると感じた」とアメフトを選んだ理由を振り返る。大学2年生の春からレギュラーになり、3年生で関東大会の決勝に進んだが惜しくも負けてしまった。社会人になって、オンワード(元オンワードスカイラークス)に移り、念願の日本一を経験した。その後、相模原ライズで4シーズンをプレーし、2012年に膝のじん帯を痛め引退した。

引退を決意後、「これからビジネスの世界でどう生きていくか。自分にはビジネスをするための武器がない」「それを体系的に早く身に着けたい」と考えMBAの扉を叩いた。MBA取得後は、スポーツに関わる人材のキャリアを応援したいとの想いからさまざまな業務に取り組んでいる。「スポーツ選手が自身のキャリアを考える時は、大きく3つある。スポーツ業界に入る時、選手時代、そして引退する時」と吉田氏は語り、自身はこの3つのポイントでビジネス展開を図りたいとした。

最初のポイントは、これからスポーツ業界に入ろうとする、主に学生向け。ここでは、専門学校でロジカルシンキングやプレゼンテーション、課題解決手法等のビジネススキルの講師を行っている。

続いて、選手に対しては、チームと契約してキャリアアドバイザーとしての取り組みを目指す。日本のスポーツチームでこういった取り組みを行っているチームはまだ少ない。一方アメリカは、「アメリカのスポーツ選手は元々キャリアへの意識が高い」「スポーツ引退後は、大学や大学院で専門性を学ぶ、MBAを取得するといった選手も多い」として、日米の違いを指摘した。この要因として、「日本ではキャリアを学ぶ機会が少ない」ことを挙げた。

アメフト

そして、3つ目の引退するスポーツ選手には、エージェントとして就職先を紹介する。セカンドキャリア支援だ。大学4年時の就職活動時、体育会出身者は就職に有利と一般的に言われている。しかし、中途採用でスポーツの世界で活躍した選手を欲しい企業が多いかというと、「そう簡単ではない」という。「中途採用では、スポーツをやってきた人と、すでに社会人を経験している人とでは、企業は後者を選ぶ傾向がある」。そのため吉田氏は、「スポーツ選手は、目標を設定して、そこに対し逆算して、何をすべきかを決めて行動する」「こういう特性は企業でも生きる。ここを人事部門に理解してもらえるよう啓蒙活動をしていきたい」(吉田氏)とした。

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スポーツ経営人材(スポーツMBA)の育成

 

経済産業省スポーツ庁は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機にスポーツ産業を基幹産業の一つにすると発表している。その背景として、スポーツビジネスはコストセンターからプロフィットセンターへ転換している点、新たなスポーツの台頭等がある。

吉田氏は、さまざまな活動を続けながら、スポーツチームの経営人材の育成(スポーツMBA)に向けて準備を進める。



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