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2018年12月19日

日本ロレアル「Kiehl’s(キールズ)」のマーケティング戦略はコミュニティ重視

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2018年11月14・15日に開催された『宣伝会議サミット2018』(会場:ANAインターコンチネンタルホテル東京)。同イベントで、日本ロレアル株式会社 ロレアル リュクス事業本部 キールズ事業部 コミュニケーションマネージャー 有田貴美江氏が「Community を育成するKiehl’sのマーケティング」と題し講演を行った。1851年から続くロングセラー商品のKiehl’s(キールズ)は、どういったマーケティング戦略を行ってきたのか?そのポイントを探る。

Index

  • ニューヨークのアポセカリーから生まれたKiehl’s(キールズ)
  • Kiehl’s(キールズ)の3つのブランド特性
  • Kiehl’s(キールズ)のインフルエンサーはアンバサダーではない
  • 口コミを形成する話題作り

 

ニューヨークのアポセカリーから生まれたKiehl’s(キールズ)

日本ロレアル株式会社 ロレアル リュクス事業本部 キールズ事業部 コミュニケーションマネージャー 有田貴美江

Kiehl’s(キールズ)は、1851年、ニューヨークでアポセカリー(欧米の調剤薬局)として創業した。アポセカリーは、天然由来成分のさまざまな原料を用いて薬やお茶を調合して販売するお店であり、かつ人々が健康や美容情報を求めて集うコミュニティの場となってきた。Kiehl’s(キールズ)は、“地域社会への貢献”をブランドミッションに掲げ、コミュニティを大切しながら、口コミにより成長してきた。今ではスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品等を提供している。流行に敏感な20~30代の女性をメインターゲットとし、日本には2008年に上陸、現在、世界39か国で販売している。

有田氏はキールズのブランドの特性を3つ挙げた。

 

Kiehl’s(キールズ)の3つのブランド特性



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  • コミュニティによって成長してきたブランド
  • 広告は一切行わないというポリシーを持つ
  • グローバルブランドには珍しくSNSをローカルアカウントで運営

Kiehl’s(キールズ)は、アポセカリー(調剤薬局)を軸にコミュニティを作ってきた。そしてキールズを好きになってもらい、口コミで広げていく。マーケティングのゴールは、ターゲットにアドボケイト(Advocate)して発信してもらうことだ。「その手段は、昨今オフラインからオンラインへと移行している」(有田氏)という。

また、Kiehl’s(キールズ)は広告を一切行ってない。「メディアに使う広告費用は、商品開発に使う」と有田氏は語る。さらにSNSをローカルアカウントで運営している。その背景に、「ローカルが一つのコミュニティであるという概念がある」(有田氏)とした。

Kiehl’s(キールズ)のインフルエンサーはアンバサダーではない

 

このようなブランドの特性を持つ課題として、有田氏は「キールズの日本での認知度はまだまだ低いこと」を挙げた。この課題を解決すべく3つのキーワードを挙げた。

一つ目は、アドボカシー(Advocacy:擁護・支持)を重視している点。

それを形成するファクターとして、まずはインフルエンサーが挙げられる。口コミの形成には、SNSを重視しているが、その中でインフルエンサーは重要な役割を果たすという。インフルエンサーというとアンバサダーを想像されるが、「Kiehl’s(キールズ)の考えは、それとはまったく異なる」と有田氏は語る。

なぜならアンバサダーは、リーチ数頼みになってしまうからだ。たとえば100万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーは拡散力が強い。しかし、「Kiehl’s(キールズ)ユーザーとの親和性では、50万人以下のインフルエンサー(自分の身近な人)の方が効果は高いことがわかった」(有田氏)。Kiehl’s(キールズ)のメインターゲットである20~30代の女性は、SNSで自分の考えに近いインフルエンサーの話に共感するからがその理由だ。そのため広告的手法ではなく、Kiehl’s(キールズ)と親和性の高いインフルエンサーをメディアとして協力してもらう。そして、インフルエンサーを通じて、将来のユーザーに乗数的にアプローチしていく。これが目指す一つ目だとした。

また、アドバカシー形成には、KCRというKiehl’s(キールズ)の顧客担当でスキンケアのエキスパートも重要な役割を担う。KCRは誰でもなれるわけではなく、厳しいトレーニングと試験に受からなければならない。「KCRは顧客と直に接し、顧客に最も影響を与える存在であることから重要視されている」と強調する。

そして、これらを通じて、顧客になってくれたユーザーがさらに口コミを発信する。つまり、ユーザーによるオーガニックに形成されるコンテンツを最大化することが、コミュニケ―ション戦略の最大のゴールとなる。

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口コミを形成する話題作り

 

続いてKPIも重視している。まずはバズボリュームを図る指標としてSOB(Share of Buzz)を持つ。一方でエンゲージメントも重視する。特にセンチメント(市場のKiehl’s(キールズ)に対する印象が肯定的、中立、否定的かを表す指標)を重要指標にしている。これは誰が、どのように、どういった言葉で語られているのかという文脈が重要だとした。

では、ユーザーに語ってもらうための話題作りをどうしているのか?

Kiehl’s(キールズ)は、広告宣伝にお金はかけないが、「クリエイティブコンテンツ制作には力を入れている」(有田氏)という。具体的には、商品を体験してもらえる場を作り、サンプルを配布することだとした。その例として、キールズ“GIVE JOY” バスが、東京、横浜、名古屋、京都で期間限定の運行を行うとした。そして、各エリアのコミュニティとイベントをつくっていくという。同キャンペーンを通じて、「多くの女性にKiehl’s(キールズ)を使ってほしい」(有田氏)とした。(BizMICE編集部)

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