MICEトレンド, イベント運営ノウハウ

2020年2月28日

コロナウイルス対策を徹底しMICEエキスポが開催

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一般社団法人日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)と日本政府観光局(JNTO)は2月26日、東京国際フォーラムにて『第29回 国際MICEエキスポ IME2020』を開催した。同イベントは、国際/国内会議、学会・大会・企業ミーティング、インセンティブ旅行等MICEを誘致するための商談イベントで、東京観光財団や名古屋観光コンベンションビューローといったコンベンション協会、プリンスホテル、住友不動産/ホテルヴィラフォンテーヌといった施設等、多くの企業や団体、自治体が参加した。

7つのコロナウイルス対策

 

『第29回 国際MICEエキスポ IME2020』は、特別講演や表彰式、出展各社のセッション、展示ブース、MICE商談会で構成。昨今、コロナウイルスにより中止となるイベントが多発している中、同イベントは7つの対策を施し開催された。

1つ目の対策は、当初予定していたネットワーキング交流会の中止。飛沫感染のリスクが発生する飲食をともなう同交流会を中止にした。

2つ目は、出展者、スタッフ、来場者にマスク着用を徹底したこと。マスクをつけていない方が来場するとマスクを無料で配布した。さらにイベント運営スタッフが「マスク着用」といった手持ち看板を持って場内を歩き周り、来場者にマスク着用をお願いしていた。

3つ目は、入口はじめ場内の各所にアルコール消毒液を設置した点。

入場時、来場者に問診票の記入を求めたことが4つ目の対策だ。

5つ目としては、イベント運営スタッフが場内の休憩ブースにあるデスクを頻繁に消毒している光景が目についた。

6つ目は、東京国際フォーラム医務室を利用可能にし、看護師を1名常駐させたこと。

そして最後は、会場の入口に赤外線サーモグラフィを設置し、来場者の体温をリアルタイムで測定。37.5度以上の方は入場を遠慮してもらうことにし、コロナウイルスへの対策を徹底していた。

来場者からは、「この時期のイベントということで、少し心配していましたが、これだけ対策されていると安心感がありますね」という声が聞かれた。

 

「イベントの意義・メリットを再認識」「今は業務効率のためのIT化に力を入れる時期」

 

同イベントの特別講演は、テレビにも多数出演している、東京都市大学特別教授 兼 国際観光施設協会 副会長 涌井史郎(雅之)氏が『ウォーカブルな街づくりとMICE』と題し講演を行った。

表彰式では、誘致の部、大規模会議の開催の部、中小規模会議の開催の部と3つの部門で表彰が行われた。誘致の部で表彰されたのは、2021年に開催予定の「9th International Discussion Meeting on Relaxations in Complex Systems」を誘致した千葉市、「2023 IEEE International Magnetics Conference(INTERMAG 2023)」(2023年)を誘致した仙台市、「第20回世界バラ会議福山大会 2024」(2024年開催)を誘致した福山市が受賞した。

大規模会議の開催の部では、福岡市が開催した「第16回アジア太平洋地域ITSフォーラム 福岡2018」、京都市の「第5回国際組織工学・再生医療学会 世界会議2018」、東京都の「2018年第11回国際水協会(IWA)世界会議・展示会」が受賞した。

中小規模会議の部では、広島市の「吃音・クラタリング世界合同会議 in Japan 2018」、東京都の「アルカジア東京大会2018」、宮崎市の「2018年IEEEシステム・マン・サイバネティクス国際会議」が受賞した。

展示場内には86のブースが設置されていて、多くのイベント主催者が来場し、各ブースで熱心に案件の相談をしていた。ある来場者は、「大規模イベントを開催する際、必ずそのエリアのコンベンションビューロに相談するようにしています」「来場者の満足度を高めるためには、そのエリアの観光施設や見どころを押さえる必要があり、それにはコンベンションビューローの知見、ノウハウが欠かせません」「今回、多くのコンベンション協会と話をし情報収集して、開催エリアを決めたい」と語った。

一方、出展者に、今回のコロナウイルスの影響について話しを聞いたところ、「今回のコロナウイルスによりイベント開催のキャンセルが増えている」との声が多かった。

本イベント出展者の多くは普段、イベントを支援する立場にあるが、「このイベント(MICEエキスポ)では出展する側の立場に立って、あらためてイベントの意義・メリットを再認識しました」「イベントはお客様と直接コミュニケーションが取れ、生の声を一度でたくさん聞ける。こういった機会は他にないですね」との声も多く聞かれた。

また「この時期は守りに徹したい」とし、「自分たちの業務を効率化するためのIT化、デジタルトランスフォーメーションに取り組む」と語る出展者も多くいた。「限られた人数、時間で最大限の効果を出すことが普段の業務で求められている」「それにはITが欠かせないが、普段は日常業務に追われて、中々検討できない。今回のコロナを良い意味に捉えて、一気にIT化を検討したい」とした。IT化の中でも、特に顧客管理やイベント管理を効率的に行いたいというニーズが多かった。

イベント業界にとって逆風となっている現在だが、出展者、来場者ともにコロナウイルスを正しく恐れて行動する姿がそこにあった。(BizMICE編集部)

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