MICEトレンド

2019年3月11日

MICE(セミナーやイベント等)の会場を選ぶ際のポイントとは?会場選びで失敗しないためには?

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MICE(Meeting、Incentive、Conference、Event/Exhibitionのビジネスコミュニケーションの総称)を成功させるためには、開催内容・企画のほかにもうひとつ大事なポイントがある。開催会場の選定MICE開催内容交通アクセス、利便性、予算などに応じて、目的に合わせた会場を選ぶことでMICEをスムーズに進行させることができるのだ。とは言っても、グーグル等で検索すると多くの会場が表示されるため、検索すればするほど、結局どの会場が最適なのかがわからなくなってしまう。あれもこれもと候補に挙げてしまっては、社内での稟議や承認に時間がかかってしまい、開催予定日間近に慌てたり、他の予約で埋まってしまったりすることになってしまう。そのような失敗を防ぐためにも、ポイントを押さえて会場を選定することが必要となる。そこで本記事では、会場選びのポイントを説明する。

 

インデックス

  • MICEを開催する会場の種類(ホテル・ホール・貸し会議室・レンタルスペース・ギャラリー・PRイベント広場・ユニークベニュー)
  • MICE会場を選ぶ基準とは?失敗しないポイント(エリア・人数・予算/グレード・設備備品・サービス)
  • MICE会場を決める前に内覧を

MICEを開催する会場の種類

 

先述の通り、ネットで会場を検索するとさまざまなタイプの会場が表示される。MICEの目的によって会場を決める必要があるが、どのような会場があるのか、そして、その会場の特性とはどのような点なのかを知らなければ選ぶことはできないだろう。まずはその説明から始めたい。

ホテル(例、ヒルトン、インターコンチネンタル、マリオット&スターウッド、ハイアット、ペニンシュラ、アンダーズ東京、帝国ホテル、ニューオータニ、ホテルオークラ等)

マリーナベイサンズ(シンガポール)

ハイエンドの会場を選びたい場合は、ホテルが最も適している。装飾が華やかで高級感があり、照明やテーブルアレンジなどでワンランク上の演出ができる。ホテル側のサポート体制もしっかりしているため、開催当日に向けての企画や準備が充実しており、万一、当日に何かトラブルがあった場合でも迅速に対応してくれる。館内に、バンケット、会議室やセミナールーム、宴会場や宿泊用の客室があるため、移動することなくビジネスシーンからプライベートシーンまでをワンストップで過ごすことができるのも魅力だ。

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ホール(例、東京国際フォーラム、ビッグサイト、幕張メッセ、ベルサール等)

ビッグサイト(東京国際展示場)

大人数を収容することができるのがホール。天井が高く会場内に支柱がないタイプのホールが多いため、展示会やショーなどのイベントなどを行う場所として選ばれる。大規模なセミナーや展示会などのイベントを開催できる多目的イベントホールやレセプションホールのほか、コンサートホールやダンスホールなど利用用途が決まっているものもある。なお、東京・築地市場の跡地に、国際会議場・展示場などを核とする再開発が検討されている。

貸し会議室(フクラシア、AP貸し会議室、リファレンス、TKP、イオンコンパス等)

貸し会議室(イメージ)

シンプルな会議室を、必要な時間枠で借りることができる貸し会議室。4名程度の少人数規模から、100名以上が収容できる大規模なルームまで、サイズはさまざまである。スタッフが常駐しているタイプと、無人タイプの会場があり、有人の会場の方が若干高めの価格設定となっている。必要な備品・設備が整っているため、プレゼンや商談などの大事なビジネスシーンでも使いやすい。現在では、自社内の会議室が埋まってしまっている時や気分を変えて会議に集中したい時に、外部の貸し会議室を借りる企業も増えており、自社内に会議室を所有している企業も利用することが多くなっている。

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レンタルスペース

カフェ

パーティーや打ち上げ、親睦会などにおすすめなのがレンタルスペースである。カフェ風の可愛らしい会場や、ラグジュアリーな会場など、おしゃれでゆったりとくつろげる室内が特徴的だ。カラオケやキッチンなどがついている会場が多くパーティー向きであるため、プライベートの女子会やオフ会で使う場合がほとんどだが、社内の懇親会で利用する企業も増えてきている。また、畳を使った和室のレンタルスペースは、パーティー以外にも撮影スポットとしても人気である。

ギャラリー

クリエイティブな空間で展示会や販売会を開きたいという場合には、ギャラリーが最適。ギャラリーと聞くと画廊を連想する方も多いかもしれないが、実際はアートのみならずアパレルやハンドクラフトなど、さまざまな業種に対応したギャラリーも多い。商品を魅せる工夫が細かくされており、スポットライトやダウンライトなどで会場を演出できることも魅力の一つだ。商品を展示する什器は予め会場内に用意されていることが多いため、商品を持ってくるだけで即日始めることができる。

PRイベント広場

一般消費者に向けてセールスプロモーションを仕掛ける時には、イベント広場がおすすめ。駅前や商業施設、観光スポットやショッピングセンターなど人通りの多いところにあるため、多くの人の目に留まりやすい。新商品の発表や街頭アンケートなど、多くの一般消費者をターゲットにする企画ではアピールしやすい場所である。

ユニークベニュー

ユニークベニューとは、その名の通りに特別な会場であり、プレミア感を演出することができる。歴史的建造物、美術館などのミュージアム、船舶など、普通ではコンベンションと結びつかないようなところで開催することにより、その会自体の特別感や個性を打ち出すことを目的としている。また、ユニークベニューでMICEを開催することによって、その地域や会場の活性化も促すことができるのだ。

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会場を選ぶ基準とは?失敗しないポイント

 

さて、どのような会場があるのか具体的に把握できたところで、どのような視点で会場選びをするべきなのかを説明していきたい。会場の広さや立地だけでなく、実は会場選びにはさまざまなポイントがあるのだ。見落としがちなポイントをしっかり押さえて、会場選びで失敗しないようにチェックしよう。

 

会場を選ぶ基準1:エリア

開催するエリアによって、参加者が集まりにくい場合もある。ターゲットとしている参加者層を分析して、参加しやすいエリアの会場で開催することがMICE成功の秘訣である。

1-1 セミナーの場合

参加者からお金を取る有料セミナーの場合、駅から近いことが絶対条件となると言っても過言ではない。なぜなら、駅から遠い会場であればあるほどに「せっかくお金を出しているのに、こんなに歩かせるのか」という不満に繋がってしまうからである。できれば、有料セミナーに関しては駅から徒歩3分圏内、無料セミナーに関しては駅から徒歩5分圏内の会場にしたほうが無難であろう。

また、全国から参加者が来るセミナーの場合は、東京駅や上野駅など新幹線が停まるターミナル駅や空港に近い会場を押さえることも主催者側の配慮として必要だ。

1-2 採用の場合

自社にてパンフレットや書類を用意するため、それを運ぶ手間などを考えたら、自社から乗り換えなしで行けるエリアがベスト。会社説明会は全国から学生が参加するので、ターミナル駅の近くの会場にすることで参加者を増やすことができるだろう。

1-3 社内研修の場合

移動の負担を考慮すると、自社から近いエリアでの開催が望ましい。また、研修の休憩中や終了後に全員で食事をして親睦を深めることも目的としている場合は、近隣に飲食店が多い繁華街の近くの会場を選ぶこともおすすめだ。

会場選ぶ基準2:人数

参加人数がある程度はっきりしていないと、どの程度の広さの会場に決めるべきなのかも分からない。人数は早い段階で明確にしておくことで、会場選びの基準にすることができる。

2-1 セミナーの場合

参加者数ぎりぎりの収容人数の会場にするか、参加者数×1.5程度の人数を収容できる会場にするかで、そのセミナーの演出が異なる。具体的にどういうことかと言うと、参加者数ぎりぎりの収容人数の会場にすることで、そのセミナーが盛況であり人気があることを演出できるのだ。逆に参加者数×1.5程度の収容人数の会場の場合は、荷物を置いたりゆったりと座ることができたりと、参加者が落ち着いてセミナーに集中できる環境を作ることができる。

2-2 採用の場合

島型(グループ型)レイアウト

採用試験でグループワークと筆記試験を同日の行う企業も多いだろう。その際は、島型(グループ型)とスクール型のレイアウトに変更しなければならない。島型とスクール型では収容人数が異なる会場も多いため、事前にレイアウト別の収容人数を確認して、受験者がどちらの試験もきちんと受けることができる会場にすることが大事だ。

2-3 研修の場合

新入社員研修やビジネス研修などでは、座学のほかにロールプレイングも行う場合が多いだろう。机や椅子を移動してロールプレイング用の場所を確保できる広さの会場を選ぶことがポイントだ。また、幹部研修や管理職研修などの企業の上位層を対象にした研修の場合は、ゆったりと座れるように2名掛けで参加者全員が座れる会場にすることをおすすめする。昨今、非日常空間での研修を行う企業が増え、自社エリアから離れた場所で研修合宿を行う企業も増えている。

 

会場を選ぶ基準3:予算・グレード

開催内容や参加者層によって、会場にどの程度の予算をかけられるのかが違ってくるだろう。また、会場によって設備・備品が会場費に含まれている場合と、オプションで追加料金が発生する場合があるため、事前に確認しておくことも必要だ。

3-1 セミナーの場合

重要な顧客を招待するセミナーや発表会、懇親会、自社の役員クラスがプレゼンする場合、有料セミナーの中でも高額のものの場合は、高級感や重厚感のあるハイグレードな会場が最適で、ホテルやハイグレードな貸し会議室を選ぶことがベスト。通常のセミナーであれば、フレキシブルに使えるシンプルな貸し会議室で充分である。

3-2 採用の場合

会社説明会などで、自社がどのような企業なのかを演出したいという場合は、会社の色に合った会場選びがポイントとなる。例えば、「ベンチャー感を出したい」という場合はデザイン性の高い貸し会議室やレンタルスペース、「アットホーム感を出したい」という場合はカジュアルな貸し会議室など、自社の色に合ったグレードや雰囲気の会場がおすすめ。一般的な会社説明会や採用面接などの場合は、スタンダードな貸し会議室で行うことが無難である。

3-3 研修の場合

社内の研修には、正直あまりお金をかけられない…という企業が多いだろう。問題なく利用することができるのであれば、リーズナブルな貸し会議室で全く問題ない。社内の団結を深めたり特別感を出したりしたい場合には、ユニークベニューでの研修も面白いかもしれない。

 

会場を選ぶ基準4:設備・備品

会場によって利用できる設備や備品が異なる。会場に確認する前に、どのような備品が必要かをリストアップしておくといい。当日に追加したいとなると在庫がない場合もあるため、事前の予約を忘れずに。※MICE Platformでは、MICEカルテという運営管理ツールを用意している。MICEの種類によってテンプレートが用意されているため、備品リストをもとに用意し、かつ、それを会場はじめ関係者と共有できる。抜け漏れや関係者との認識のズレによるトラブルをさけることができる。

4-1 セミナーの場合

マイクやプロジェクターなどの基本的な備品はもちろん、広い会場の場合は前方のスクリーンに投影された映像が会場後方の参加者には見えにくくなるため、会場の中ほどにモニター等を設置する必要もある。また、ダウンライトやスポットライトでの演出も取り入れることで、参加者の満足度も上がるだろう。外部講師を招く場合は控え室、地方からの参加者が多い場合は荷物置き場も必要である。

4-2 採用の場合

応募要項の説明や、試験内容の説明などで、プロジェクターやホワイトボードは必ず使うだろう。参加人数が多い場合はマイクも使うことになるため、有線マイクなのか無線マイクなのかピンマイクなのかの確認はしておいたほうがいい。

4-3 研修の場合

パソコンを使う研修の場合に注意しなければいけないのは、インターネット回線。会場は基本的に無線LANが引かれているが、一度に何台まで繋ぐことができるのかは、要チェックしておくべきポイントである。

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会場を選ぶ基準5:サービス

5-1 レイアウトの変更

デフォルトのレイアウトから、シアター型や島型など他のレイアウトに変更する必要があるケースもあるだろう。そのレイアウト変更を、会場側でやってくれるのか、やってくれる場合は有料サービスなのか無料サービスなのか、という点も会場選びの際にはチェックしておくといいだろう。

5-2 料金の割引

連日利用や複数日程の利用の場合、割引サービスが適用される会場も多い。また、早期予約の場合も割引に適用される場合もあるので、早めの予約をすることで、希望日に会場を押さえられる上に割引料金で利用することができるという、まさに一石二鳥だ。

5-3 ケータリングやお弁当

セミナーや会議のあとに、同会場で懇親会をしたいというニーズもある。ケータリングやお弁当の手配を会場側でしてくれる場合があるので、懇親会も開催希望の場合は飲食の手配をしてくれる会場を選ぶことで、負担を減らすことができる。

 

会場を決める前に内覧を!

 

さまざまな視点で会場を選ぶことが大事であるが、一番重要なのは自分の目で見た情報。候補の会場をいくつかに絞ったら、実際に会場へ行って内覧することをおすすめする。立地や駅からの経路も自分で確認することができ、会場の雰囲気も把握できる。コンセントの位置や数、空調、照明の調光など、細かいところも確認しよう。

内覧の際は、トイレやエレベーターなどの共用部を見ることも必要だ。参加者数に対して、トイレの数は適正か、エレベーターの収容人数は適正か、事前に確認しておくことができる。また、内覧に行くメリットは、会場スタッフと直接話すことができる点にもある。不明点を直接確認できるだけでなく、会場スタッフと信頼関係を築いておくことで今後の利用の際にもサポートしてもらえるようになる。(BizMICE編集部)

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