遊休資産を活かしてシェアリングサービスを行う。昨今、ウーバーやAirbnbで注目を集めるシェアリングサービスだが、もっと以前から遊休資産に注目し事業を展開してきた会社がある。1995年創業、2003年 東証マザーズに上場したエリアリンクだ。同社は、遊休不動産にトランクルームを設置、顧客から普段使わない、捨てられない荷物を預かるストレージサービス「ハローストレージ」で成長、全国で事業展開している。そのエリアリンクが2006年、貸会議室事業に参入。現在、「ハロー貸会議室」というブランドで、新宿、渋谷、新橋、神保町、秋葉原等、54拠点115の会議室※を運営している。同社の貸会議室事業の戦略について、エリアリンク 営業本部 営業部 貸会議室 係長 小林渉氏に話を聞いた。(※増減する可能性もございます)
アジェンダ
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駅近会議室を安価で貸し出す。その背景にある努力とは?
遊休不動産を利用するストレージサービスで成長してきたエリアリンクが次に目を付けたのは、オフィスビル等の遊休スペースを貸会議室にすることだった。その貸会議室市場について、同社の小林氏は、「企業がスペース資産を持たずに変動費化する動きが出てきている」と語る。たとえば研修サービスを提供する会社が、研修場所を自社で持たず外部のスペースを利用したり、会議室を自社で持たない企業も増えているとした。
そういった市場の動きに対応すべくエリアリンクは現在、新宿、渋谷、新橋、神保町、秋葉原、八重洲、新宿三丁目等の東京、神奈川、千葉、大阪、名古屋に54拠点115の「ハロー貸会議室」を運営している。
同会議室のこだわりは、安価、駅近、お手軽だ。それを実現するため同事業をわずか6名で運営していると小林氏は話す。新たな貸会議室をオープンするための物件探しや利用者の開拓、サポート、オペレーションといった業務を6名でこなしているのだ。
「当社は、少人数で事業をまわすために、どういった仕組みを構築すれば良いかを常に考えて行動します」「作業がまわらないから人を増やすという発想はない」(小林渉氏)とした。
運営人員が少ないため、ハロー貸会議室新橋以外は無人運営となっている。
一方で、お客様のセミナーや研修の運営に支障がきたさないよう、電話、チャットによるサポートや、全会議室で機材や備品を共通化し使いやすくするといった工夫をする。
そういった努力の結果が、お客さまに安価で貸会議室を提供できることにつながっているとした。
「もっといろんな会議室の用途を提案していきたい」
ハロー貸会議室のフラッグシップは「ハロー貸会議室新橋」だ。同会議室は、唯一の有人受付で、8Fワンフロアに8つのルームがある。収容人数は4~72名に対応できる。場所もSL新橋広場前にあるニュー新橋ビルと駅近だ。ラウンジには、便利なウォーターサーバーを設置している。新宿や秋葉原も人気だという。秋葉原は千葉方面からのアクセスも良いため人気が高いという。JR秋葉原 昭和通り口から徒歩2分の「ハロー貸会議室秋葉原駅前」は、A、B、C3つのルームがあり、AとB、BとC、AとBとCそれぞれ連結可能で、収容人数は39~204名まで対応できる。秋葉原にはもう一か所「ハロー会議室秋葉原Ⅱ」がある。
昨今の会議室の利用用途としては、「以前より多様化している」と小林氏は話す。セミナーや研修、会議が多いが、それらの使い方も以前とは異なる利用も出てきたとした。「数か月という長期で借りる企業もある」「新入社員研修やオフィス移転の合間を埋めるため」というのがその理由だ。
それ以外としては、ファミコンによるゲーム大会やヨガ教室、カジュアルな婚活パーティー、結婚式の二次会、余興の練習場、さらにドラマの撮影等もあるという。こういった動きを見て小林氏は、「会議室を従来の使い方だけにこだわるべきではない」とし、「もっとさまざまな利用法を提案していきたい」と意気込む。
最後に同社は少人数で運営するメリットとして、「意思決定が早い」「お客さまのさまざまな要望にも迅速に判断しサポートできる」とし、小林氏は「新しいことにどんどんチャレンジしていきたい」とし話を締めくくった。(BizMICE編集部)
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