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2018年4月12日

「JR東京駅近辺の会議室=フクラシア」というブランド想起を狙うマックパートのドミナント戦略

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研修特化型ホテルを川崎と晴海で展開していたマックスパート社。2011年にリーマンショックの影響を受け川崎グランドホテルを閉鎖せざる得なくなった。そのピンチをチャンスに変えたのが2012年2月。新たな事業として品川と浜松町に貸し会議室・イベントスペースをオープンさせた。フクラシアブランドの始まりだ。ホテル運営のノウハウを貸し会議室事業へと生かす同ブランドの戦略とは?

アジェンダ

  • フクラシアのドミナント戦略~JR東京駅近辺の会議室=フクラシアを狙う
  • お客様のMICE開催趣旨、ゴールを常に念頭に置く
  • フクラシアのIT活用

 

フクラシアのドミナント戦略~JR東京駅近辺の会議室=フクラシアを狙う

 

フクラシアブランドの貸し会議室事業を展開するマックスパート社。同社は、空間の“膨らし粉”として知恵と工夫、接客努力にこだわり、より高い空間の価値創造をミッションに掲げている。同社の会議室事業は2012年、フクラシア品川(高輪口)、フクラシア浜松町の開業から始まった。この2つのエリアを選択した理由として、マックスパート社 コム・バス事業部 営業部 マネージャー西村夏紀氏は「品川と浜松町は会議室需要が見込める」「京浜東北線沿線上なので、閉鎖した川崎グランドホテルの顧客を引き継げる」と答えた。

品川、浜松町がオープンした後、同社は東京駅を中心にドミナント戦略を展開。2012年8月にフクラシア東京ステーション、その後、フクラシア八重洲、そして、2017年10月にフクラシア丸の内をオープンさせる。「ビジネスの中心地はやはり東京駅。地方からの交通の便も抜群」(西村氏)とその背景を語る。JR東京駅からわずか半径100m以内に3会場、計39会議室を展開。JR東京駅近辺でMICEを開催したいと考える利用者に、フクラシアを純粋想起させるブランド戦略を取る。

フクラシアは、丸の内を含め6会場で58の会議室を運営する。コンセプトは、フクラシア浜松町が「シンプル、モダンを追求した会議室」、フクラシア品川が、「リーズナブルな価格」フクラシア東京は「都会のオアシス」フクラシア八重洲は「Priority meeting」、フクラシア品川クリスタルは「くつろぎのインテリアと滞在空間」、そしてフクラシア丸の内が「ワンランク上の会議室」を掲げる。

それぞれのコンセプトは異なるが、デザイナーは同じデザイン事務所に発注し全体的なトータルバランスを保つ。たとえば、共有スペースは広めに取り、来場者へリフレッシュしてもらう工夫や、会議室内は木目調で落ち着いたデザインに、といった具合だ。「利用者にとって常に何が快適かを追求しています」と西村氏は話す。

フクラシア東京ステーション
フクラシア東京ステーション

お客様のMICE開催趣旨、ゴールを常に念頭に置く

 

同社の特徴は、一つひとつのMICE案件に必ず営業担当と専任コンシェルジュの2名で支援することだ。その2名がまずやることはお客様のMICEの趣旨、ゴールを把握すること。そして、それを軸に開催が終了まで支援していくという。MICE開催に向けた運営準備に入ると、お客様からさまざまな要望が来る。その要望にどう回答するか、社内で徹底的に議論する。

お客様への回答内容に対して、必ず「それは“膨らませているか(利用者の価値につながるか)”という問いかけがある」と西村氏は話す。例えば、ある主催者がお客様向けセミナーを開催された。集客が想定以上に集まり、「席数を増やせられないか」と相談があった。席を増やすことは簡単だが、増やせば来場者は窮屈な中、セミナーを受講しなければならない。それが本当に主催者にとって良いことなのか?を振り返って考えるのだ。

その際、まず趣旨、ゴールが何だったのかを振り返る。たいていの場合、来場者とセミナーをきっかけに継続的なビジネス関係を構築したいといったものだ。その視点に立つと、「やはり潜在顧客となりうる来場者に窮屈な体制でセミナーを受講してもらうのはよくない」という結論になる。「お客様にとっては耳が痛いかもしれないですが、きちんと説明、議論すれば納得してもらえる」(西村氏)とし、そういったコミュニケーションの積み重ねで信頼関係が生まれるとする。

「過去の知見やノウハウを蓄積してきたからこそ最適な会議のノウハウを提案できる」「単に御用聞きになるのではなく、ビジネスパートナーとしてトモに良いMICEを開催していきたい」と西村氏は語る。

フクラシアのIT活用

 

2017年10月オープンのフクラシア丸の内オアゾは今までのノウハウを凝縮した会議室になる。従来の会議室ではスペックの問題で、中規模展示会や学会等での利用ができなかったが、丸の内オアゾは、天井高3.8mのデザイン性、機能性に優れた空間、計10室を提供する。面積が一番広い会議室は330㎡のAルームで、今まで取り切れなかった展示会も開催できるとした。

ハード面の充実だけではなく、ソフト面でもITを活用して利用者の利便性を高めている。昨今力を入れているのは2点のIT活用だ。1点目は、iPadで会議室内の音響、照明、ブラインド、映像等を操作できる点。従来はスタッフを手配して行っていた作業を手元で操作できるため人件費削減につなげることができるという。2つ目は、小会議室限定ではあるが、スマホで予約からクレカ決済、鍵の開錠まで受付レスで利用可能にした点。「小会議室の場合は利用準備もそれほどかからないため、スマホで完結できる方が利用者の利便性が高い」(西村氏)とした。

ハード、ソフト両面で利用者の利便性を追求しているフクラシアの会議室。利用者はリピート顧客が多く、かつ幅広い業種の企業から利用されている。利用用途は、セミナー、研修、採用説明会、選考会、商談会、展示会やドラマ撮影等、幅広い。新規の利用者には、以前、フクラシアで開催されるセミナーに参加、その際、会場が気に入ったので、自社開催のセミナーでフクラシアを利用した方もいるという。ホテルで培ったおもてなしのノウハウが多くのお客様の心をつかんでいるのだろう。(BizMICE編集部)

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