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2018年4月3日

Vitraとコラボした銀座・伊東屋のイベントスペース、ラウンジ。そのコンセプトとは?

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銀座四丁目交差点から中央通りを京橋方面に歩くと、2016年にグッドデザイン賞、AACA賞を受賞した銀座・伊東屋の本店ビルが目に飛び込む。このビルの地下1階にはイベントスペース「Inspiration Hall」が、10階にはセミナーや会議等で利用される「HandShake Lounge」がある。スイスの家具メーカーVitraとのコラボから生まれた銀座の同スペースは、どういったコンセプトで運営されているのか。同社の米村氏に話を聞いた。

アジェンダ

  • Vitraが考えるオフィス・会議室とは?
  • Vitraの高級家具とシャンパンでおもてなし

  • 最初の長期利用は、有名ラグジュアリーブランドを傘下に持つ外資系企業

Vitraが考えるオフィス・会議室とは?

 

伊東屋といえば文房具を思い浮かべる方が多いだろう。1904年に創業され「働くとき、学ぶとき、何かを創造するときに役立つ道具を扱う店」という役割で文房具を軸に、時代や環境変化に対応しながら成長を続けてきた。昨今は物販だけでなく、スペース事業や食品事業にも参入している。このスペース事業の中心が銀座・伊東屋にある。

2015年6月に誕生した銀座・伊東屋のMICE関連スペース。同スペースは、スイスの家具メーカーVitraとのコラボで誕生した。Vitraは、オフィスを街として捉え、さまざまなビジネスシーンにあわせて、オフィス内のスペースのデザインを変えている。働く人がいかに快適に過ごせるかをスペースの視点から追求しているのだ。その思想は10階の「HandShake Lounge」に見て取れる。

銀座・伊東屋 空間事業室 主任 米村昌弘氏
銀座・伊東屋 空間事業室 主任 米村昌弘氏

Vitraの高級家具とシャンパンでおもてなし

 

あづま通り側のエレベータ直結で、10階の「HandShake Lounge」へ向かう。エレベータを降りるとすぐ、エグゼクティブ向けのデスクと、高級キャビネット、そしてコンシェルジュがお出迎えしてくれる。その隣にはセットアップスペースがあり、スマートデスクで資料作成もできる。

さらに奥へ足を進めるとフードカウンター、そしてセミナーや発表会等が行われるラウンジがある。ここはシアター席で最大35名収容可能で、新商品発表会やセミナーがよく開催されているという。

その先にあるのが会議に使われるプレゼンテーションルーム。12人が着席可能だ。ラウンジとはガラスで区切られているため明るく開放感がある。会議の内容によってはカーテンで仕切り、会議内容にあわせた空間にアレンジすることができる

プレゼンテーションルームの奥には、くつろぎの空間が広がる。応接室セットでリラックスしたり、テラスには12階まで吹き抜けたガラス張りの大きな窓があり、銀座の街並みを一望できる。セミナーや研修後、この特別な空間でお酒を飲みながら懇親会を開催すると話が弾むだろう。

このフロアで目につく家具はすべてVitra製。一脚40万円の椅子や、ソファ、スマートデスク等がラグジュアリー空間を演出している。「競合はホテルのスイートルームです」と米村氏は話す。ちなみに10階の「HandShake Lounge」の利用料金は、1時間3万円で2時間からの利用となっている。1日利用の場合、料金は40万円で、12名分のランチやドリンク、さらにシャンパン2本がサービスとしてついてくる。ホテルのスイートルームにも負けないサービスを提供している。(全て税別)

 

銀座・伊東屋 会議室
銀座・伊東屋 会議室

最初の長期利用は、有名ラグジュアリーブランドを傘下に持つ外資系企業

 

文房具の物販を中心に成長してきた伊東屋にとってスペース運営を開始した当初は苦労の連続だった。「最初は、どこに営業していいかもわからなかった。中々知名度も上がらず利用者は増えなかった」と同社の米村氏は語る。

そんな中、有名ラグジュアリ―ブランドを傘下に持つ外資系企業のCEOと担当者など、10人位で来店、その場でCEOが気に入り翌日に予約の連絡が来たという。「CEO本人とスタッフの一人がVitra好きで好印象を持ったようです」(米村氏)。そして3日間借り切って、新製品発表会を開いた。「シャンパン6本用意し、4本はその場で飲み、2本は持ち帰られた」と当時を振り返りながら米村氏が語る。苦労が続いた中、長期利用の最初のお客様だった。

さらに、世界的なデザインコンサルタント会社もアイデア会議の場として2日間利用。その後徐々に利用が増えていったという。

その要因として、米村氏は「借りてくだった方が、周りに話をしてくれて、それを聞いた方が申し込んでくださっています」と。さらに「家具が好きな方も借りてくださいます」とした。特に後者の方がご来館されVitraの話をすると、「カタログを持ち出すほど、話が盛り上がります」「さすがにその場で販売することはないですが」とし、お客様と仲良くなるという。

会議利用の場合、伊東屋ならでのサービスもついてくる。会議を最適にする豊富な文房具がそれ。会議用のステーショナリーキットをはじめ、静電気でガラスに貼れるホワイトボード等、利用者が喜ぶツールを用意している。

「HandShake Lounge」の利用用途は会議やセミナー、研修が多いが、それ以外にも、女性向けの採用活動、ファッションや化粧品、文房具のイベントや新商品発表会、企業の周年パーティー。戦隊ものドラマの撮影はじめ、ファッション雑誌、テレビCM、映画等の撮影も多い。さらに昨今は中国や地方の会社が東京へ旅行も兼ねて利用されることもあるとした。

銀座・伊東屋

Vitraの空間コンセプトと家具、東京メトロ銀座から徒歩2分という好立地を武器に徐々に利用者を増やしている銀座・伊東屋のMICEスペース。セミナーや研修、発表会はもちろん、商談や重要会議で利用してみてはいかがだろう。(BizMICE編集部)

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